私たちの全身を覆う皮膚にはさまざまな働きをしています。外界からの刺激を敏感にキャッチしたり、寒い時には、体温が逃げないように血管を収縮させ、筋肉のエネルギーを熱に変えてから、からだをあたためてくれます。
また、暑いときには、体内の熱を放出するため、血管を拡張させて汗の量を増やします。新陳代謝にかかせない栄養分の供給と老廃物の排出も行い、皮膚はいつも黙々と働いてくれています。
さて、その皮膚の構造ですが、薄いようでいて実はかなり複雑なつくりになっています。皮膚は、体の表面から奥に向かって表皮→真皮→皮下組織の順で出来ています。表皮は体に体に付着するウイルスや有毒成分が体に入るのを防ぐ役割をしていて、毎日新しい細胞が生まれ古くなった表皮は垢になってはがれてゆきます。そして、表皮は呼吸して酸素を体に取り入れる役割も持っています。
真皮は、リンパ管や毛細血管、汗腺、皮脂腺、毛根や体性感覚受容器などさまざまな複雑な器官を備えています。表皮よりもかなり厚みのある組織です。
皮下組織は脂肪組織と繊維組織で出来ていて、その間を動脈やリンパ管が走っています。脂肪は外からの衝撃を吸収して和らげたり、栄養の補給や体温の保持などの役割をもっています。
皮下組織は、主に動脈やリンパ管が走行しており、やわらかい脂肪組織と繊維組織で出来ていて、栄養分の保温と貯蔵をの役割、からだに受けた衝撃などを和らげるクッションの役割をもっています。
このような三層構造の皮膚のほぼ中央にリンパ管は位置しており、リンパ液を全身に巡らせて免疫と老廃物の排出という役割を受け持っているのです。
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